認知行動療法

認知行動療法

・自分はダメだ・みんなが自分を非難している・やる気がでない・人の目が気になる

・自分の頑張りが認められていないと感じる・自分は必要とされていないと感じる

・新しい環境になじめない・朝起きれない

事実は一つなのにその捉え方・受け止め方は人によってさまざまです。認知とともに嬉しい、悲しい、怒り、不安などさまざまな気分や感情が生まれ、その感情に後押しされて行動が生まれます。

普段であれば一時的にネガティブな受け止め方をしても、少し時間が経ち落ち着いてみると別の角度から考えることができるのに、その苦しみが行き過ぎてしまうことで、もはや別の見方や考え方はできず、次第に苦しみの深みにはまってしまう悪循環に・・。さまざまな出来事がストレスになり、うつ病、パニック障害、強迫性障害などの不安障害に悩む方に有効な心理療法がこの認知行動療法です。

認知行動療法とは

○認知行動療法を学ぶことで自分の心・感情をコントロールできるようになる

○心・感情が変われば行動も変わる。マイナス思考の悪循環から抜け出せる

○認知再構成し、柔軟な思考パターンを手に入れ生きづらさを解消する

治療ではなく、さまざまな困難に直面した時に「本来持っている自分の力を引き出し」柔軟に対応できるようにしていく為の方法です。普段の生活にもとても役立つ方法なのです。

 

 

認知行動療法の仕組み

認知+行動を扱います

1ストレスを受けた経験をもとに、思考と感情について分析・整理してみる

2今のストレス・苦しさを結果として原因となるものを推測する

3心の仕組みを理解する

4柔軟な思考を手に入れる。自動思考(今までの自分)+バランス思考(新しい考え方)

5今できることを行動に移す

 

事実の受け止め方は自分の状態に影響する。同じ状況でも先行する条件や状態によって受け止め方が変化する

事実(状況・出来事)⇒ 認知(考え・受け止め方)⇒ 結果としての感情や行動

認知とは・・①自動思考②前提やルール③中核概念(スキーマ)

①自動思考・・その時々で瞬間的に自然に浮かぶ考えで状況により変化もしやすい。思考グセ。

「物事を肯定的に捉える傾向が強い」「否定的に捉える傾向が強い」「被害的に捉えやすい」など、一般的に「自分の性格」だと思っているもの。

②前提やルール・・日常の行動や発想の基準となる考えで、自動思考を方向付けているもの

「人に対して優しくすればいいことがあるあずだ」「公共の交通機関はいつでも時間通りに運行するものだ」「親の期待に応えるべきだ」などの思い込み

③中核信念(スキーマ)・・価値観。

 

「嫌な感情」が問題なのではない

全ての感情はとても大切です。今の感情を嫌わずしっかりと向き合うことが大切です。

感情は何をしたいのか、何が嫌なのか、何が辛いのかをしるためのきっかけになります。

出来事や感情を問題とみなすのではなく、その感情を過剰に大きくしてしまったり、とらわれてしまっているパターン化した考え方や行動を明らかにし改善へ向かいます。

嫌な出来事をなくすことはできませんが、その影響を最小限にして過剰に不快な気分から悪循環に陥らないように自分の心の調整力を鍛えていきます。

認知行動療法の進み方

「苦手な人とどう付き合えばいいか」「親しくなると無理し過ぎて人間関係に疲れてしまう」「ちょっとしたことでも大きく落ち込んでしまう」など「何とかしたいこと」「改善したいこと」は尽きません。

1.自分の直面している状況や課題を整理し、状態を観察する

2.自分のことを観察していく中で、考え方や行動のクセをつかむ

3.考え方・行動を変化させ、クセを修正する

4.状況によっては、具体的な問題解決を進めることが必要な場合もある

「正しい考えかた」「プラス思考」ありきではない

なかなか簡単にポジティブにはなれない、その効果が短すぎる、という人に対して、「認知(考え方)」と「行動」の見直し方を伝え、事実に対する見方、行動を変えることで自分の気持ちをやわらげることを目指しており「楽な気持ちに、感覚になるためにどうするのか」という発想で取り組みます。

自分の直面している状況や課題を整理し、状態を観察する セルフモニタリング

 

感情リスト

憂うつ、不安、怒り、罪悪感、恥、悲しい、困惑、興奮、おびえ、苛立ち、心配、誇り無我夢中、パニック、不満、神経質、うんざり、嫌悪感、快、失望、怖い、楽しい、焦り、屈辱感、安心、愛情、せつない、無力感

point:モヤモヤした気分

⇒モヤモヤという言葉にはたくさんの意味が含まれているから、その意味を探してみます。

具体的な単語にすることで少し自分を客観的に見ることができます。気持ちを確認できることは混乱している自分を一歩引いて見れた証拠です。モヤモヤをそのままにしていることは闇の中にいることと同じです。不安に気付き、その不安とうまく付き合うことが大切です。少しずつ、ナゼ不安が出てきているかもわかっていきます。

自分の感情を確認⇒心の中が整理される⇒目の前のモヤを少し晴らす

 

○会社で孤立してしまう例①

心配の正体・・同僚との食事で会話についていけるか心配

今までの行動・・仕事や用事を理由に断っていた

思考と行動の変化・・「話を聞いているだけでもいいんじゃないかな」と考え食事へ参加

 

○会社で孤立してしまう例②

不安の正体・・上司の期待に応えられるが不安

今までの行動・・「できます」「やります」と一人で抱えこみ残業・持ち帰りしていた

思考と行動の変化・・信頼できる同僚・先輩に相談してみようと考え声をかけてみる。

自分のことを客観的に見るというのは思うより難しく、できるようになるためには練習が必要です

 

できそうなことから試していく

スモールステップでできることから行動します。

私たちは気持ちを言葉で表現するのが難しい時があります。

カウンセラーは言葉にならないところを大切にして、それを言葉にして気持ちの整理をしていくお手伝いをします。

 

考え方のクセをつかんで新しい考え方を手に入れる

以下の出来事があった時、あなたはどのように感じますか?

○上司に挨拶したが素通りされた

⇒無視された、自分のことをよく思われていないのかな?

⇒考え事していたのかな?

⇒聞こえなかったのかな?

 

○周囲の同僚が数人で話している

⇒自分の悪口言ってるのかな?

⇒何かあったのかな?

⇒特に気にならない

 

あなたはどんな風に考えますか?またどんな感情が湧きますか?

自分の考え方に偏ると視野が狭くなり悪循環に陥りやすくなります。

色んな受け止め方があるとわかっていることが大切です。

 

万人に共通する楽な考え方・正解はない

その時の状況や人により適切な考え方は異なります。自分の考え方を間違っていると責めるのではなく、自分の考え方に柔軟性を持たせてみて下さい。

「こうであるべき」と思っていることを、「こうなったらいいな」という程度に方向性を持たせて0or100%ではなく「○パーセントだったらOK」など幅を持たせ、自分が納得できる受け止め方を見つけて行きましょう。柔軟な受け止め方ができるようになると自分にも他人にも余裕を持たせることができ楽になります。

感情にとらわれた行動は選択肢が限られてしまい、ワンパターン化しがちです。固定化された行動は、新しい状況や取り組みへのチャレンジ、新しい気付きや学びまで妨げてしまいます。

 

認知行動療法の取り組みは、全てを思い通りにすることでも、正しい考え方や行動を持てるようになることでもありません。また、今までの自分を否定することでもありません。自分の考え方にプラスして他の考え方を取り入れバランスよく対応できるようになることです。大切なのは、何かしら自分ができることに取り組むことを通して気持ちを整えられるようになることです。

「性格を変えたい」「これは性格だから変わらない」

性格とはいったい何でしょう?

人は先天的な気質を持って生まれてきます。その気質を軸に、さまざまな経験から得た価値観などによって、行動や意欲などの傾向が生じて来ると言われており、それをまとめて性格と呼ぶことが多いのです。

ですから、気質的なところは変わらないものの、その先の価値観(考え)、行動などは調整可能だということです。したがって、感情に振り回されなくなることもできるのです。

自分自身への深い変化

成功体験を積み重ね、それを軸に肯定的なイメージを持つことができる人もいますが、親や周囲の期待に応えないといけないと思う余り、その体験を必ずしも肯定的に感じたり振り返ったりできず心の深いところで縛られてしまう人もいます。

認知行動療法で意識的に問題に直面し解決に向けた取り組みをすることで

「他の人と同じように自分のことも大切にしていい」

と実感し新しい考えにもとづいて行動が広がると深いレベルの自己イメージも自然に変化させることができます。

認知行動療法は、思考の表層レベル(自動思考)から、ルールや中核概念(スキーマ)という深いレベルまでの変化を扱いますので、自分の心の問題と向き合うことは時に苦しいことかもしれません。認知行動療法に取り組もうと考えている方は、決して気合いや根性ではなく身近な人や専門家の援助のもと取り組んでいただきたいと思います。

一歩を進める勇気を持ち、ゆっくり解決に向けて取り組んでいくことで世界の広がりを感じられたら良いのではないかと思います。そして問題のあるなしにかかわらず日常の中でよりよい生活を送る為にもきっと役立つと思います。

 

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